自律神経失調症になる意味「自律神経失調症が教えてくれるメッセージ」
こんにちは、橋本麗子です。
身体が伝えるメッセージを受け取る事で、自分本来の生き方に気付き、
人生を変えていくお手伝いをしています。
本日は、自律神経失調症ついてお話しさせていただきます。
私の母も何十年も「自律神経失調症」でした。
クライアントさんからも「自律神経失調症なのです」とお声をいただくのですが、
調べていくと実は、「自律神経失調症」と言う病名はないのですね。
症状の自覚はあっても、検査で異常が表れない場合、西洋医学では治療することはできません。
よって、心療内科で受診する流れになり、
そこで「自律神経失調症」と判断されるそうです。
正式な病名ではない、のに、これほどまで良く耳にするのにはびっくりですが、
「自律神経失調症」とはどんなものか、どんなメッセージがあるのかお伝えしていこうと思います。
自律神経と自律神経失調症とは
「自律神経失調症」と言う病名はありませんが、
「自律神経」と言うのは医学用語です。
「自律」とは、他から助けをを受けずに自分の規律に従うという意味。
「自律神経」とは、
文字通り、私たちの意思とは関係なく、
独自に自動的に24時間働き続けてくれている神経のことをいいます。
「自律神経」は、呼吸、血液循環、ホルモンの調整、体温調節、消化・排泄機能、免疫調整など、
生命維持には欠かせないもので、
昼間など体の活動時に働く交感神経と、
夜や体を休ませるときに働く副交感神経があります。
その「交感神経」と「副交感神経」のバランスが崩れた状態を「自律神経失調症」と呼んでいます。
ストレスが大きく影響すると言われているのは、
自律神経が、人の本能を司る大脳辺縁系に直接繋がっているためです。
ストレスは、
を表すので、
その大きさにより、負荷がかかりすぎると自律神経が乱れてきます。
とはいえ、ストレス社会と言われる現在、
全員が自律神経失調症になるわけではありません。
薬も、必要な時には大いに役に立つでしょうが、
対症療法ですので、症状を抑えても根本原因まで掴めるわけではありません。
また、軽くみていると
鬱やパニック症状、などへと悪化することもあります。
命を守るために表現してくれている身体からのサインを
「休んでいる暇はないから」「忙しいから」と後回しにしては気の毒です。
家族を守るための家事や仕事も、
自分の生きがいややりがいある仕事も、
身体が健康であって、始めて成り立つもの。
本来、私たちの力が及ばない場所での働き続けてくれている「自律神経」の
バランスが崩れるのは、一体どういうことでしょうか。
気付いていきましょう。
交感神経と副交感神経について
私たちの脳の中で、本能を司る大脳辺縁系は、古代の頃から進化をしていません。
言葉も、物も、情報も、なかった時代のままです。
生きるために、危険から身を守るために、動くようにできているので、
快か不快か、の反応のみです。
そこと連携している交感神経は、
敵や獲物を見つけた時、瞬時に動けるよう、筋肉に血液を集め、
酸素をたくさん取り込めるように呼吸を浅くし、心臓の鼓動を早めます。
一方副交感神経は、
敵に襲われる心配もなく、お腹いっぱいでリラックス、安心して眠れる状態です。
筋肉は緩み、心臓はゆっくりを脈を打ち、消化の方へエネルギーが使われます。
自律神経失調症でよく言われる、
不眠や動悸、便秘は、ずっと力が入り続けている交感神経が働き続けている証拠なのです。
私たちの身体の働きは、とてもシンプル。
「動く」か「休む」です。
太陽の日差しを浴びながら、活動の時間とし、明かりのなくなった時は身体を休める。
その生活をしていた時代には、「自律神経失調症」などありませんでした。
身体を休める必要のある時に、休ませない。
長時間、不自然な姿勢で活動を続ける。
常に脳が情報処理しなければならない状況下に居続ける。
「こうじゃなきゃ」「こうしなきゃ」と、自我に合わせ
自然の摂理を本来のあり方でない方向へとコントロールしようとしているのは、
私たち自身なのです。
自律神経失調症からのメッセージについて
「自」で「律する」
文字の通り、自分に厳しい。いろんな義務を課してはいないでしょうか。
世間から見られる自分に基準を置き、自分を見失ってはいないでしょうか。
コントロールできない所まで、
習慣で無意識にコントロールしようとしているところがあるのかもしれません。
ひと一人の存在は、とても不安定なのは確かです。
私も誰かに褒められれば、とても嬉しいし、頑張って良かったなと思う事は多々あります。
ただ、
脳の無意識の動きの背景に、
誰かに褒めてもらう、誰かに認めてもらうのを目的で行動しているのとでは
意味が違ってきてしまいます。
何のために、何に価値を置いて、日々の行動をしているのか、
改めて自分を振り返ってみてください。
「〇〇しなければならない」が影響する脳の動かし方
〇〇しなければならない、という意識で行動するのは、
脳の中でどうなっているのかというと、
〇〇しなければならない→ 私の望みは別にある
→望んでいない行動をしている→間違った行動をしている→自分に偽りを課している
と脳は判断していきます。
本来の望みではない行動を取るとは、脳の苦痛脳という部分が動き出し、
ストレス対抗ホルモン(コルチゾール)が分泌されます。
コルチゾールは、ストレスに耐えるホルモンを出すだけでなく、
代謝を促したり、免疫抑制、抗炎症作用、
肝臓で糖を作り出すなど、多くの大切な働きをしてくれるものです。
なので、これが慢性的に分泌されると、代謝のバランスが崩れてくるのは、
一目瞭然なのですね。
(鬱の方は、コルチゾールの数値が高いそうです)
もし、
「〇〇しなきゃ」と思うことがあれば、
誰かや何かを理由に行動するのではなく、
「私がやりたいと思ったからやる」へシフトしてみましょう。
「起きなきゃ」と思って起きる時と、
「起きよう」と思って起きる時では、1日の身体の軽さが全然違ってきます。
「〇〇しなければならない」は、実はとっても自分を痛めつけているのと一緒なのです。
実は、心理技術を学ぶようになって、
この世には「〇〇しなければ」という言葉はいらないんだな、と
日々感じることが多くなりました。
「やらなきゃ」と気が重くなっているのに気付き、
「したくないのだけど」と正直に口にすると、
「じゃ、こうしたら?」と代案がちゃんと周りから返ってくるのです。
自分で勝手に「やらなきゃ」と縛っているだけなのですよね。
そう思うことで、「私は自分をコントロールできてる。やることをちゃんとやっている」
と安心感を得ようとしているだけなのではと思うようになりました。
実は、余談ですが、
ストレスというのは、大変なことばかりではなく、ポジティブなシーンでも
かかってきます。
イベントや新しい事、新しい環境、などワクワクするようなことも、
目には見えませんが、心と身体に負担がかかっています。
「ワクワクしなきゃ」とは、
「ワクワクしてない自分」を否定してしまう事にもなります。
「ポジティブなことをしているのだから平気!」というわけではない事も
頭の片隅に置いておいてください。
自律神経失調症の症状について
自律神経は、
全身の器官をコントロールしてくれているので、
バランスが崩れると全身の機能に支障をきたして、さまざまな症状が出ます。
身体の症状としては、
精神症状としては、
といった症状が表れます。
症状により、それぞれのメッセージもあるので、ご紹介します。
・偏頭痛・・・自分が望む選択をしていますか?
・ほてり・・・怒りを貯めてはいないですか?
・便秘・・・手放せないもの、言いたいことを言わずに飲み込んでいることはありますか?
・下痢・・・自分の価値を自分で認めていますか?
・耳鳴り・・・自分の考えにとらわれすぎて、他からの言葉を拒んでいませんか?
・手足のしびれ・・・頑なになっている思いはありませんか?
・口や喉の不快感・・・言いたいことを抑えて飲み込んでいませんか?
・頻尿、残尿・・・自分にプレッシャーをかけていませんか?
まとめとアドバイス
自律神経失調症を改善していくには、まずは自分としっかりとゆっくりと向き合うことが大切です。
自分以外の人に合わせて、あれこれと悩んだり、動いたりするのをやめ、
心と身体の声をきき、勇気を持ってお休みしましょう。
これまでの生活習慣を見直す。
身体に負担がかかっている姿勢を緩めていく。
脳の動き方を知り、ご自身の在り方や考え方を少しずつ変えていく。
「休みたい」と脳も身体も感じているところを
「休んではいられない」
と動いていては、心身のバランスが崩れるのも仕方ありません。
もし、休むことへの罪悪感があるとすれば、その背景にはどんな思いが隠されているか
気付いていきましょう。
人は、それが心や身体に負担がかかるとわかっていても、
メリットを持っていると、習慣をやめることができません。
私の母は、ずっと睡眠導入剤と抗うつ剤がやめられませんでした。
やめることで、バランス崩すのではないか、もっと眠れなくなるのではないかと
恐れ続けていたからです。
こういう性格だから、この不調はやめられないと言い続けていたのですが、
私が私の意識を変えることに集中していたら、(私のセッションで行う内容です)
自ら、抗うつ剤を飲むことをやめました。
自然治癒力が働き出したのか、最近では視力までが改善してきたそうです。
83歳ですが、その年齢でも変われるという証明を見せてくれました。
自律神経失調症は、
コントロールできないものをコントロールしようとしているため、
実は頑固さんが多いのも事実。
自分の思い通りにしたいと、あれこれとコントロールすることは、
反対に、自由を奪っていきます。
「変わる」ことが全てだとは私も思ってはいません。
ただ、人は自分を偽ることはできても、身体は嘘はつけないのです。
その症状が何を伝えようとしてくれているのか、
受け入れる、というところから始めてみてください。
そして、
自然の摂理から外れているのを意識して、自然との触れ合いの時間を作りましょう。
前のめりになって仕事をし続ける姿勢は、
生きる喜びを表現する肺を圧迫します。
足を地にしっかり着け、胸を開き、
まるで自分が一本の木になったように
足の裏から生えた根が地球の中心まで届くようなイメージをして、
丹田に集中し、深い呼吸を続けてみましょう。
コントロールしようと全身の力が入り続けた心と身体が徐々にほぐれていくと、
血液が身体全体を循環していきます。
その時、
そのままの自分に、充分価値があること、
「自分らしさ」など形作るものなどどこにもいらない
という感覚を味わうことができるはずです。
限りある命を軽やかに歩んで行きましょう。
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